官僚たちの夏
[第1話]
高度成長期の昭和30年、国は日本人にも買える国産車を作ろうとしていた。07/05放送
それは「通産省の国民車構想」とすっぱ抜かれ、通産省の職員たちは殺到した記者対応に追われていた。
重工業局長の丸尾(西村雅彦)は、自動車課長の風越(佐藤浩市)がまだ発表する段階にない計画を独断で書かせたと激怒。
だが、中小企業振興課長の鮎川(高橋克実)は、風越はいつも10年先を見据えていると言う。
風越はかつて戦闘機を作っていたアケボノ自動車と交渉中だった。
だが、その条件を聞いた社長の朝原(蟹江敬三)社長は「理想は素晴らしいが現実を考えてくれ」と断る。
それでも、何とか設計は始まり、テスト走行が行われる。
だが、耐久性が弱く、テストドライバーの日向(加藤虎ノ介)は肋骨を折ってしまった。
その後、改良を重ね、アメリカのディーラーの前でテストが行われることに。
走行は順調だったが、アメリカ人たちはその小さな車をおもちゃと馬鹿にする。
やがて、大蔵省は国産車への助成中止を決定。
日本がアメリカと勝負していくためには、むしろアメリカを本気にさせてはいけないというのだった。
そんな中、風越のもとに、朝原が亡くなったと連絡が入る。
葬儀に出向いた風越は朝原の妻・弥生(市毛良枝)から作業日誌を見せられる。
そこには「国産車第1号のテスト走行を成功させたにもかかわらず、アメリカ人におもちゃと馬鹿にされて悔しかった。風越が夢をくれた」と書かれていた。
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