チェ・ジンシルさん自殺後も、止まないネット中傷に韓国政府もなす術なし!?
(10/05)

韓国の人気女優、崔真実さん(チェ・ジンシル=39)が死亡した事件に関連し、ソウル・瑞草警察署は2日の会見で、チェさんが死亡直前に自身をめぐる「金貸し」のウワサによる精神的な苦痛を家族に吐露していたことを韓国の聯合ニュースが伝えた。

チェさんは1日午後、マネージャーと一緒に焼酎を3本ほど飲み、酔った状態で2日午前零時ごろ帰宅。

寝室で母親に対し「世の中の人が恨めしい。金貸しだの何だの、わたしとは関係がないことでどうしてわたしを苦しめるの」と苦しさを吐き出したという。

悩みを打ち明けて泣いた後、チェさんは母親に休むよう言い、寝室付きの浴室に入り鍵をかけた。

母親は午前4時ごろまで何の気配がないことに不安を覚え、同6時ごろ業者を呼び鍵を開けたところ、チェさんが死んでいるのを見つけた。警察は死亡時間を同日午前0時30分から午前6時の間と推定している。

他殺と考えられる状況はまったく見つからなかったこと、午前0時42分と45分ごろに親しいメーキャップ担当者に携帯電話で「子どもたちを頼む」「ごめんなさい」という内容のショートメッセージを残していたことから、警察では自殺と結論付けた。また、検死でも医師の所見は自殺だったという。

警察によると、チェさんの母親は、チェさんが5年前に離婚してから若干のうつ病傾向が見られ、「寂しい」「つらい」などの言葉を口にしていたと話している。そのころから神経安定剤を少しずつ服用していたが、最近になり服用量が増えたという証言も得ている。

チェさんは日本プロ野球・巨人で投手として活躍したチョ・ソンミンさんと2000年に結婚し、2人の子を授かったが離婚。知人の話でも、チェさんは離婚後に子どもの養育問題や仕事上で悩みが多く、日ごろから死にたいともらしていたという。

警察は引き続き、金貸しのウワサが自殺の動機になったか調べる方針だ。寝室から発見されたメモには自殺をほのめかす内容が一部確認されたものの、ウワサとの関連性はなかった。

チェさんは「借名で金貸し業を営んでおり、先ほど死亡した俳優のアン・ジェファンさんに25億ウォン(約2億1600万円)を貸した」というウワサのために精神的な苦痛を訴えており、先月22日には瑞草警察署に足を運び、ウワサを流した人物を処罰するよう求めている。

警察はこのほど、最初にウワサを流したと推定される証券会社の社員と、この社員にウワサの内容を電子メールで送った人物を在宅のまま起訴した。

一方、「産経ニュース」は、韓国におけるネット中傷の現状に触れ、ネットの書き込みが原因の自殺はチェさんが初めてではないことを伝えている。

それによると、昨年、人気歌手のユニさん(享年25)と女優のチョン・ダビンさん(享年26)が、整形をめぐるウワサを苦に自殺。3年前にも人気女優のイ・ウンジュさん(享年24)が自殺している。

チェさんの自殺後も「よくやった」「金貸しの件で警察に呼ばれたから自殺した」といった悪質な書き込みが続いているという。政府はネットの書き込み規制を検討しているが、言論の自由を盾に反発が強く、実現していない。

ネット先進国といわれる韓国だけに、ネットマナーの面でも模範を示してもらいたいものだが、さて…。(松野)


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